イタリア中部、アペニン山脈の深くに位置するフラサッシ洞窟は、ヨーロッパで最も驚異的な自然の造形の一つです。この巨大な地下空間は、数百万年にわたって水によって形作られてきました。そこには地球の歴史を垣間見ることができます。現在では、新しい3D LiDARスキャン技術により、専門家はこの洞窟を驚くほど高い精度で記録・保護できるようになりました。
最近の現地調査では、ROGO TechnologiesのCEOであるRiccardo Gosetti氏が、コンパクトで携帯可能なSLAMベースの3D LiDARスキャナー、FJD Trion S2を使ってフラサッシ洞窟の一部をスキャンするプロジェクトを主導しました。地質学の専門知識をプロセスに取り入れるため、彼はカメリーノ大学理工学部の地質学者、Fabrizio Bendia氏を招き、現場の記録と解釈に参加してもらいました。
フラサッシ洞窟の地質学的な物語
フラサッシ洞窟の物語は、約2億年前に始まりました。当時、この場所は熱帯のビーチのような、温暖で浅い海でした。長い年月をかけて、この海の底に石灰岩と呼ばれる岩石が形成されました。その後、数千万年にわたり、地下深くの強大な力が海底を押し上げました。こうして、アペニン山脈がゆっくりと形成されました。約200万年前、この地域全体がついに海上に現れました。
陸地が風雨にさらされるようになると、変化が始まりました。水や気候、そしてカルスト(石灰岩のような柔らかい岩石を水がゆっくり溶かす現象)と呼ばれる特殊な作用が、互いに影響し合いました。長い年月をかけて、これらの力が地下に驚くべきトンネルや空間、岩石の造形を刻みました。その中でも特に壮観なのが、そびえ立つ石筍と大聖堂のような空間で知られるカンデリーネ・ホールです。

FJD SLAM LiDAR技術で洞窟をスキャン
この洞窟の複雑な形状をマッピングするため、チームはFJD TrionのTrion S2スキャナーを使用しました。SLAM(Simultaneous Localization and Mapping:同時自己位置推定・マッピング)技術を利用するこの特殊なスキャナーは、マッピングしながら同時に自らの位置も把握します。洞窟や鉱山、トンネルなど、GPSが機能しない場所でのマッピング向けに設計されています。FJD Trion S2の主な特長は次のとおりです。
- 120メートルの測定範囲
- 毎秒320,000点の取得速度
- ±1.2 cmの精度
- SLAMトラッキングを視覚情報で強化する、内蔵12 MPカメラ2台
三脚に設置する一般的なスキャナーとは異なり、SLAMベースのFJD Trion S2スキャナーでは、対象エリアを歩きながらリアルタイムでマッピングできます。これによりチームは、追加のマーカーや基準システムを必要とせず、狭く起伏のある場所であっても、対象となる洞窟エリアを一度にスキャンできました。

現場作業の効率と環境への安全性
フラサッシ洞窟のような繊細な自然環境をマッピングするには、精度が高いだけでなく、環境を乱さないツールが必要です。FJD Trion S2は軽量なハンディ型のため、大型機器を設置したり、表面に直接触れたりすることなく、繊細な造形を安全にスキャンできました。
SLAMにより高速かつ連続的なスキャンが可能になるため、チームが地下で過ごす時間は短縮されました。それでも、非常に詳細な3Dマップ(点群データ)を作成することができました。これは、洞窟や洞窟探査現場に多い暗く湿度の高い環境で作業する際に、大きなメリットとなります。
点群からデジタルツインへ:FJD Trion Modelで処理
洞窟のスキャン後、チームは収集したすべてのデータを FJD Trion Model にインポートしました。これは3Dスキャンデータの処理に特化したソフトウェアで、Trion S2スキャナーと完全に連携します。Trion Modelはコンピューター、iPadOS、Androidデバイスで利用でき、さまざまな用途に対応する多彩なツールを備えています。Trion Modelを使うことで、チームは次のことが可能になりました。
- 3D点群をリアルタイムで可視化・検査
- 洞窟の断面図と標高プロファイルを抽出する
- 洞窟内部の空間距離と体積を測定する
- コラボレーションとアーカイブ用に、標準化されたファイル(LAS、PLY、E57など)をエクスポートする
このソフトウェアは、フラサッシ洞窟の研究において、生のスキャンデータを記録、分析、長期モニタリングに役立つ意味のある成果物へと変換するうえで重要な役割を果たします。

研究とコラボレーションの強化
処理済みの3Dスキャンデータを用いて、チームはスキャンした洞窟部分のデジタルツインを作成しました。これは非常に詳細な3Dモデルで、共有できるだけでなく、洞窟の現在の状態を正確に再現します。このデジタルモデルは、以下の用途に活用できます:
- 地質変化のモニタリング を長期にわたって行う
- 学術的なコラボレーション を世界中の研究者や機関と行う
- 一般の人々への情報発信 をバーチャルツアーや教育動画を通じて行う。
Bendia氏が指摘したように、このようなツールを使えば、洞窟の構造に生じる小さな変化を確認し、洞窟がどのように形成されるのかを誰もがより深く理解できるようになります。それも、現場に物理的に触れたり、手を加えたりすることなく実現できます。
FJD Techで測量をさらに高度化
イタリアのフラサッシ洞窟で成功したマッピングプロジェクトは、 FJD Trion が私たちを取り巻く世界のマッピングにおいて、実に大きな違いをもたらすことを証明しています。FJD Trion S2 LiDARスキャナーとFJD Trion Modelソフトウェアを組み合わせることで、FJD Trionはスキャンからデータ処理までを一括で行えるソリューションを提供します。これにより、測量士は最も複雑な場所であっても、簡単かつ正確にデータを取得、処理、分析できます。地下、森林、建設現場など、どのような環境で作業する場合でも、FJD Trionの包括的なソリューションは、驚くほど高い柔軟性と精度を提供します。
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